地元特産のウナギにちなんだ浜松市の名菓「うなぎパイ」が、バター不足の直撃を受けている。パイ作りに欠かせない原材料のバターの仕入れ量が、今夏以降、従来より減ることが確実になったためだ。メーカーの「春華(しゅんか)堂」(浜松市中区、山崎泰弘社長)はバターの消費量を抑えるため、通信販売や姉妹品の生産休止に踏みきり、「地元で販売するうなぎパイは何とか守り抜きたい」としている。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080530-00000014-mai-soci
同社は、ウナギエキスの入ったうなぎパイを1961年に生産開始。「夜のお菓子」のキャッチフレーズで、浜松を代表する土産となった。県内を中心に07年度は年間8700万本を生産した人気商品だ。バターは小麦粉と砂糖に次ぐパイの3大原料の一つで、独特の風味と食感を出すため、同社は国産品にこだわってきた。だが、飼料価格が上がって輸入バターの価格も高騰するなど、国産品は品薄が続く。
年明けに業者から「夏ごろからバターの納入量が減るかもしれない」と言われ、まず、バターを使う姉妹品「えび汐(しお)パイ」の生産・販売を4月にストップした。その後の交渉で、仕入れ量減は不可避になり、売り上げの数%を占める通販も6月1日から休止することを決めた。同社は「パイの風味を守るため、バターを減らすことは考えられない」と話す。
また、バターと小麦粉、包装紙など原材料価格も上がり、6月からはうなぎパイを10〜20%値上げせざるを得ないという。国産バターの入手難と値上げの二重苦に直面し、同社は「今は金を出しても食べ物が買えない状況。自給率を高めるなど、政府は真剣に食料問題を考えてほしい」と訴えている。
5月下旬から五島市沖で大型ブリの大漁が続いている。3〜4月が盛漁期の彼岸ブリのシーズンは既に終わっているため、1カ月遅れの“福の神”到来に港は活気に満ちている。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080529-00000212-mailo-l42
同市下崎山町、林田敏美さん(54)経営の定置網では、これまでに約2000匹を水揚げした。漁場まで崎山漁港から約5分。2隻の作業船で網を絞りこみ、水しぶきを上げて暴れ回る5〜6キロの大型ブリを大きな網ですくい、クレーンでつり上げて作業船のいけすに次々に水揚げする。
まだ、定置網にはかなりのブリが残り、出荷予定に合わせて水揚げする予定。価格は旬が過ぎたため、最盛期の半分以下だという。
林田さんは「今年は不漁で困っていた。価格は安いが、数年ぶりの大漁。これで一息つけます」と喜んでいた。
〔長崎版〕
5月29日朝刊
「コメが足りない」とあるコメの卸売業者は困惑しきりだ。コメの在庫量は、例年の初夏と比べて1〜2割も少ない状態が続く。農協や同業他社に何度問い合わせても、「そんなに融通するコメがない」と断られて終わりだ。そんな状況にもかかわらず、スーパーの仕入れ担当者からは「早く届けてくれ」と矢の催促が来る。まさに八方塞がりなのである。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080529-00000000-dol-bus_all
現在、全国でコメの品薄感が強まっている。コメの消費量は減少の一途を辿っているが、その一方で供給量は変わらずに増え続けており、2007年度の収穫量は約870万トンと、前年度と比べて約16万トンも増加した。まさに「コメがダブついている」のだ。
にもかかわらず、ここに来て何故「コメ不足」なのか。
その要因の1つは、小麦価格の高騰により、供給過剰で価格が割安となっているコメの人気が再燃しているためだ。
「店頭でのブランド米の売れ行きは年初比1〜2割増えている。冷凍食品の値上げが続くなか、コメ需要アップは大きな追い風」とホクホク顔で語るのは、都内杉並区のスーパー関係者。直近では、麦の替わりに「米粉」を使ったパンやうどんなども市場に出回り始めた。
とはいえ、コメの1人当たり消費量は今年3月に前年同月比+0.6%とマイナスからプラスに転じたばかり。冒頭の卸売業者が感じる品薄感は「いささか大げさ過ぎる」と言える。
しかし、実のところそれは大げさな話ではない。コメが不足している最大の要因は、政府が大量の「備蓄米」を積み増していることにある。
06年度と比べて10%を超える価格下落に歯止めをかけるため、政府は昨秋、「米緊急対策」を発動。国内の余剰米34万トン(07年度の収穫量の1割以上)を市場から買い取った。そのため、主食用の備蓄米は今や100万トンにまで積み上がり、コメの流通量が一気に減った。そこへ小麦価格の高騰によるコメ需要の底上げが重なり、需給がタイト化しているのだ。
この備蓄米、実は「政局」に大きく左右される傾向がある。長らく続いた供給過剰で疲弊し切った全国の農家の懐事情は、まさに「火の車」。昨年はそんな農家からの「怒涛の突き上げ」が農水省を悩ませた。
言うまでもなく、農家は自民党の「大票田」だ。そこで、「昨年の参議院選挙で大敗した後、農家との選挙協力体制を磐石にするため、コメ価格を安定させようと買い上げが行なわれた」(コメ市場に詳しいアナリスト)と見られている。
問題は、需給逼迫に対していまだ抜本的な対策が行なわれていないことだ。これまで毎月行なわれていた備蓄米の売り出しはストップしたまま。政府はここに来て6月から緊急放出を行なうことを発表したものの、「それだけで需給が改善するのか」という不安は根強い。
長期的に見ればダブついているとはいえ、しばらくこのような品薄状態が続けば、今後コメの需給が一時的に大きく悪化する可能性もある。すでにその兆候は出始めており、コシヒカリが年初と比べて一時3〜4割も上昇した地域さえあるほどだ。卸売業者がコストアップに絶えられず、小売店に価格転嫁を始めれば、消費者の懐が直撃されるのは明らかだ。
それどころか、関係者のあいだでは「最悪のシナリオ」さえ囁かれている。「政局に左右され易いコメの価格が本格的に高騰するのは、福田内閣が解散総選挙に追い込まれるとき。それまでにある程度備蓄米が放出されても、いざ選挙となれば再び買い上げが始まるのではないか」(卸売業者)。
むろん「他愛もない憶測」と言ってしまえばそれまでだが、裏を返せばこんな話がまことしやかに囁かれるほど、市場の危機感は強まっている。
食糧不足に喘ぐ海外に目を転じれば、すでに「米騒動」は日常茶飯事である。長らく国家に守られてきた日本のコメも、もはや例外ではない。備蓄米のコントロールといった一過性の対応だけでなく、食糧供給システムの抜本的な改革が求められている。
(ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也)